お客様インタビュー

導入事例001:株式会社篠崎屋様

“できない”ではなく“こうしましょう”
難しい要望にも誠実に対応してくれました。 株式会社篠崎屋 システム物流部 枝野将一様

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「よりいいものをより安く」をモットーに『三代目茂蔵』ブランドで豆富や和菓子の製造・販売を展開する株式会社篠崎屋様。スーパーや量販店と取引する食品メーカーの常として、比較的早い段階から在庫や売上を管理する基幹システムの活用が進んでいた。しかし大手のパッケージソフトをカスタマイズしての運用には限界があり、次第にコスト増や対応の遅れといった課題が浮上。そこで大規模なシステムのリプレイスプランが立ち上がり、タイガーテックとのプロジェクトがスタート。今回はシステム物流部の枝野様に開発当初から現在に至るまでのさまざまなエピソードを語っていただいた。
枝野様: タイガーテックさんに期待したのは、私たちの希望をきちんと認識して作り上げる想像力や読解力でした。もちろん技術力は必要なんですが、それはある程度どの会社も持ってますから。それにシステムといっても結局は作るのは人。だから代表の中谷さんの第一印象で決めたといってもいいですね。その直感は当たっていて、実際にプロジェクトが走り出してからも非常に紳士的かつ精力的な姿勢で開発に臨んでくれました。私の中で持っていた要望を伝えるときちんとその通りのものを作ってくるのですが、それだけではなくてタイガーテックの経験や知識を総動員してプラスアルファの提案もしてくれるんです。主にUIやデザイン面などですね。このあたりは現場でも使いやすさに直結するので、非常に助かりました。
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しかし実はタイガーテックが小売業の基幹システムを手がけるのはこれがはじめて。それまでのタイガーテックが得意としていたのはもっぱらWebの分野。いわゆるリアルな小売の現場に直結する業務システムの開発は事実上未経験だった。「これまでに数多く手がけてきた開発、特にECサイトなどでもデータに関する保全性・確実性は高かったのですが、今回の業務システムはそれをはるかに上回る水準を求められました」と代表の中谷も振り返る。
枝野様: そうですね、最初はちょこちょこつまづきや苦労もあったと思います(笑)。でもタイガーテックさんの経験が浅いぶんは私がきちんと理解して、コミュニケーションを図ればクリアできることですし。中谷さん曰く「ECとの大きな違いは在庫ひとつに対するシビアさ」とのことで、それはそうだろうなと。小売は在庫はあやふやだと発注もぶれてきますし、何より売上に直結しますからね。でもここに対しても、経験がないぶん想像力でカバーしてくれました。設計もなるべくシンプルな構造にして、不具合がでないようなつくりにしてくれたんです。プログラムの構造を意識しながら設計するって、文字通り想像力がないとできませんから。まさに冒頭で申し上げた期待通りの開発をしてくれたわけです。

通常の打ち合わせはスカイプで。もちろん重要なテーマの議論や月一ペースでは膝突き合わせてやっていましたが、それ以外はリモートで充分意思疎通は図れましたね。当社も昔から店舗と本部のやりとりにスカイプを使ってましたし、タイガーテックさんもリモートワーク主体の会社さんということで。ツールそのものへの“慣れ”があったことも確かです。
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はじめての小売、はじめての基幹システム。タイガーテックにとって新たな領域へのチャレンジとなった篠崎屋様の開発案件。結果として着手からカットオーバーまで半年を超える長期プロジェクトに。しかしそのクオリティに関しては「いっさい不満はない。10点満点で10点」とのお言葉をいただいた。
枝野様: もともとウチが抱えていた課題は全てクリアできました。ランニングコストは大幅に押さえられましたし、ローンチから間もなくのタイミングでカスタマイズする機会もありましたが、要望を伝えると「ではこうしましょうか」と。その頃にはもう、勝手知ったるといった感じで実にスムーズ。スピーディに対応していただけました。実は納品は当初予定より少し後ろにずれ込んでしまったのですが、そのぶんクオリティに関しては文句なしの仕上がりです。また保守対応についても満足しています。

開発過程においては私が結構な無理難題を言ってしまったこともありました(笑)。でもお願いしたことに「できません」という解答はなかったんじゃないかな。難しい時でも「それは難しいので、こうしませんか?」と代替案を出してくれた記憶があります。しかもありがたいことに予算内で収まるように工夫して。この対応力こそがタイガーテックさんの一番の強みなんだと思いますね。私との対話の中から優先順位をつかんで、さほど重要ではない箇所からグレードの調整をいれるなどして全体最適を図ってくれる。非常にやりくり上手だなと思ったものです。

はっきり言って、今回かなりハイクオリティなシステムを作ってもらったと思っています。このままパッケージ化して販売できるレベルです。ちょっとカタチを変えればスーパーさんや中小企業でも使えるはず。
このプロジェクトを足がかりに、タイガーテックさんの事業領域も広がるんじゃないでしょうか。ECを中心としたWeb分野だけでなく、リアルな小売業界も顧客対象に加わると思いますよ。
今回の篠崎屋様のシステム開発で特徴的だったのは日配品と在庫品の両方を扱っているということ。つまり商品ごとにどこから発注するのか、またどこに在庫を持つのかを意識しながらの開発が必要とされる。また自ずとリードタイムが複雑になるのだが、そこをいかにシンプルに組むかが鍵を握っていた。これらの難題をクリアできたことで、さまざまな企業や業態に対応できるシステムに仕上がったといえるだろう。
枝野様: 現時点でのこのシステムには深く満足しています。が、ウチの場合はシステムが主役ではなく、あくまで売上をつくるためにあるという立ち位置。もし販売現場のメンバーが売上をあげることにひとりでもストレスを感じてしまうのであれば、それはシステム部、ひいては私の責任です。だからクオリティにもっともっと磨きをかけていきたい。実際に現場からいろいろと細かい要望も上がってきているので、まずは私のほうでまとめているところです。その中からオーダーを精査してタイガーテックさんにお願いしていくつもりです。
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「これからも頼りにしています」枝野様がタイガーテックに寄せる信頼は深い。そこには単純にプロジェクトの長さ、お付き合いの時間だけでは計り知れない何かがある。さまざまなエピソードを通じてタイガーテックが大切にしているPhilosophyや柔軟性、技術力が証明される事例となった。